【季節の話題】シャクナゲ・松・幽霊茸・ミツマタ

あれこれ

ゴールデンウィーク,皆さんどこかにお出かけでしょうか? 私は三河の山(本宮山や宇連山)に出かけたりします。この時期は,いろいろな植物に会えます。実はブログを書き始めていろいろなものに目が行くようになりました。そして,見えていなかったものが見えたりします。
今回は気になった植物を4つ紹介します。最初のふたつは本宮山,あとのふたつは宇連山で出会いました。皆さんも低山を歩いて,植物たちに会いに行ってはいかがでしょうか。

シャクナゲ・松(本宮山)

「シャクナゲ色に たそがれる はるかな尾瀬 遠い空」(歌:夏の思い出)と歌われたシャクナゲですが,皆さんはすぐにその姿がイメージできたでしょうか? もしかしたら「シャクナゲ」と「シャクヤク」ってどっちがどっちだっけ? という方もいらっしゃるかもしれません。下の写真(2024年4月28日撮影)に写っているのがシャクナゲです。調べてみると,シャクナゲはツツジ科の植物で,花はツツジに似ていることがわかりました。いままで,何度もシャクナゲを見てきましたが,木の形がツツジとは似ていないので,そんなことを思ってもみませんでした。

本宮山のシャクナゲ

そこで,シャクナゲとツツジの花を並べてみました。花びらの形は少し違いますが,同じような斑点が同じような場所についていることがわかります。これは蜜標と呼ばれているもので,虫たちにここに蜜があると教えるマークだそうです。ツツジの写真には,それに誘われてきたのか,蜜蜂が蜜を集めている様子が見られます。また,雄しべや雌しべの形も似ていますね。

シャクナゲとツツジにある蜜標

つぎは松について見てみましょう。松について思い出すのは名古屋能楽堂のことです。能楽堂の舞台に飾られる鏡板には,伝統的に老松が描かれてきましたが,名古屋能楽堂ができたときに若松が描かれていろいろ言われました。
ここでは,山で見た若松について説明します。いま,ちょうど松の花が咲いている時期で,下の写真のようにたくさんの花をつけています。「松の花がどこに咲いているの?」と思った方はいらっしゃいませんか? 大丈夫です。いまから,松の花について説明しましょう。

雌花と雄花を付ける松

下の写真は松の花に近寄って撮影したものです。先っちょにあるピンクの角みたいなものが雌花で,ここが松ぼっくりになります。雌花の下には新しい枝が伸びており,その付け根に雄花が咲いています。雄花の横には1年前に受粉した雌花が松ぼっくりになって残っています。これを踏まえて,上の写真をもう一度見てください。松の枝の分岐の仕方や松ぼっくりの付き方で,これまで,松が1年ごとにどのように成長してきたか想像できますがわかりますか? わからない方は,近くの松を探して,実際の木を見てみるとよいと思います。

松の雌花と雄花の構成

幽霊茸・ミツマタ(宇連山)

つぎは宇連山で見た植物たちを紹介します。はじめは「幽霊茸」(下の写真:2016年5月21日撮影)です。名前にインパクトがありますし,見た目も真っ白で特徴的なので,一度見聞きしたら忘れることはないと思います。本当の名前は銀竜草(ギンリョウソウ)といいます。細かいことは他のサイトを見ていただければよいですが,茸と付いていますがキノコではありません。見た目が白いということは葉緑素は持っていません。ですから,光合成は行わず,菌類に寄生して養分をもらっています。
しかし,誰が幽霊茸と呼ぶようになったのでしょうか? 私には白くてかわいい「森の妖精」に見えるのですが・・・。

宇連山の幽霊茸

最後はミツマタです(写真は2019年5月2日撮影)。ミツマタば和紙の原料として有名です。ですが,どれほどの方が実際に見たことがあるでしょうか? 調べると各地に群生地があるようですが,普通に山を登っていて,ここ以外でミツマタに会った記憶がありません。
ミツマタはその名の通り,枝が3つに分かれています。花も結構面白い形をしています。花の様子がわかりやすいように写真の一部をズームアップして示します。半球状に集まっており,なかなか趣のある花です。機会があれば,ミツマタの木から繊維を採って,実際に和紙を作ってみたいものです。

宇連山のミツマタ
宇連山のミツマタ

特にこの時期に山を歩くと,いろいろな植物の花とか新芽に出会うことができます。気候も良いので気持ちがいいです。ゴールデンウィークを過ぎると低山では暑くなりますし,蛇や害虫なども増えてきます。低山へは是非,いまの時期に出かけるのをお勧めします。

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