青い飛行機雲彩雲とCrowの不安定性

あれこれ

以前,このブログで飛行機雲彩雲を紹介しました。彩雲は雲の水滴で光が回折して雲に色が付く現象です。ですから,光源である太陽との相対位置や水滴径によっていろいろな色が現れるというのが一般的です。しかし,今日見た飛行機雲彩雲は青一色で珍しいと思いましたので紹介させていただきます。
また,Crowの不安定性による飛行機雲の動きを時間を追って写真にとりましたので,それも紹介します。

青い飛行機雲彩雲

タイトル下の写真も含め,青い飛行機雲彩雲の写真を3枚示します。この飛行機はエンジンを4つ搭載しており,エンジンから出た排気ガスでできた飛行機雲は4本出ています。排ガスでできた飛行機雲はやや赤みがかった白色です。それらの飛行機雲の間に翼で減圧されてできた飛行機雲が存在します。そこに色付いた彩雲が見えます。下の2枚の写真はその部分からズームアウトした写真と,ズームインした写真です。これらの写真から,飛行機雲全体でどのような色の分布になっているかわかります。ズームアウトした写真を見ても,白い飛行機雲の間にできた飛行機雲は青一色であることがわかります。

青い飛行機雲彩雲
青い飛行l機雲彩雲

同じような条件で撮影した別の飛行機雲彩雲を下の写真に示します(2024年4月11日撮影)。エンジンを4つ搭載した飛行機で,エンジン排ガスでできた飛行機雲は白色なのに対し,その間にできた翼の減圧による飛行機雲は虹色(青,黄,赤などのいろが分布)になっています。なお,この写真については彩雲の色付きが弱かったので,画像処理して色を強調しています。
一般的に飛行機雲彩雲といえば,このような色の分布を示しますが,今回のモノは青一色で本当に不思議です。少なくとも,写真を3枚撮影する時間の間はその状態が保たれていました。太陽との相対角度や水滴の径などの条件がうまく合わないと,今回のような彩雲は見られない気がします。
もし,青一色になるメカニズムがわかる方がいればご教授いただけると嬉しいです。

虹色の飛行機雲彩雲

Crowの不安定性による飛行機雲の時間変化

今日はCrowの不安定性による飛行機雲も見ることができました。これも以前説明しましたが,翼端で生じた2本の翼端渦の相互作用により,飛行機雲がウィンナーソーセージのような形になったりする現象です。時間を追って3枚の写真を並べました。2本の翼端渦が近接して節のようになったところから飛行機雲が消滅していることがわかります。
Crowの不安定性の飛行機雲は条件がそろわないとなかなか出会えないので,時間による形状変化まで追えてラッキーでした。

Crowの不安定性による飛行機雲の時間変化

今回は,以前お話しした飛行機雲彩雲とCrowの不安定性について,新たな観測結果が得られましたので,それをお話ししました。皆さんも,何か面白いことを見つけたら教えていただけると嬉しいです。何か新しい気付きが得られるかもしれません。

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