積乱雲にともなう漏斗雲(24年6月2日,三河湾)

あれこれ

2024年6月2日は寒冷低気圧(上空に寒気を伴った低気圧)が日本海にあり,ニュースでは大気の状態が不安定になり,雷や豪雨に注意してくださいと呼びかけられていました。私は午前中,いつものように本宮山に登りに行きました。このとき雷鳴を聞いて,これはいけないと思い雨雲レーダをみました。すると西の方に真っ赤な雨雲があり,急いで下山しました。

帰宅後,豊橋から渥美半島方面で積乱雲が発生し,積乱雲の観測に非常に都合の良い条件となったので,いつものように空を眺めていました。下の写真は,そのとき豊橋付近に雨を降らせていた積乱雲です。かなとこ雲ができていたので,雲頂は対流圏界面に達していたと考えられます。

このとき,南の方を見ると漏斗雲ができていることに気が付きました。大変珍しいと思いますので紹介します。

豊橋上空に発生した積乱雲

漏斗雲・衰退までを観測

下に漏斗雲に気付いてから衰退するまでの写真を示します。写真に写っている山は西浦半島で,漏斗雲は西浦の南側の海上にあると推定されます。西浦の先の陸地は伊良湖岬になりますが,漏斗雲の大きさから,そこまで遠くにあるとは考えられません。約3分間の写真です。

漏斗雲は写真の右から左の方向(西から東)へ移動しつつ,姿を少しずつ変えています。最初は頂点を下にした逆三角形をしています。山でその下側が見えないのが非常に残念です。

しばらくすると,逆三角形がスリムになり,線状になっていきます。これが海面に到達すると竜巻になりますが,写真を見た感じでは漏斗雲の線は海面には到達していないように思われます。

最後に,この漏斗雲の線が弱々しくなって,消滅していきました。

漏斗雲の時間による形状変化
漏斗雲の時間による形状変化
漏斗雲の時間による形状変化

雲の形が逆三角形だけでは漏斗雲という確信が持てませんでしたが,上記のような形状変化を確認したので,自信をもって漏斗雲だということができます。遠方からの観測でしたので詳細はわかりませんでした。田原や豊橋は竜巻がよく起こる地域ですので,機会があればもっと近くで観測できればと思います。ただ,発生は海上に限定していただき,陸地で発生しないことを祈っております。

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