空飛ぶ船

あれこれ

最初の写真(2022年3月5日撮影),すごいでしょ。船が空を飛んでいます。三河湾で撮影しました。三河湾には自動車を海外に輸出する拠点があって,写っている船は自動車運搬船です。今回は,この空飛ぶ船の不思議を追いましょう。

飛びます・飛びます

下の写真も船が飛んでいます(2023年1月14日撮影)。今度の船は先ほどの船と少し形が違います。何を運んでいるのでしょうね。全体的にかすんでいるので,幽霊船みたいにも見えます。最初の写真といい,今度の写真といい,なぜ飛んでいるのでしょうか? 是非,推理してみてください。

空飛ぶ船

空飛ぶ船の謎解き

それでは謎解きです。じつは,最初の写真をNHKのローカルニュースに投稿したことがあり,キャスターの方は.「もしかして蜃気楼?」みたいなことをいっていました。
それでは,「空飛ぶ船 蜃気楼」でグーグル先生に聞いてみましょう。最初にヒットした記事は下記のものでした。
https://www.asahi.com/articles/ASQ8F640CQ8FDIFI003.html
他にも蜃気楼かも的な記事があります。
https://news.livedoor.com/article/detail/10854604/

じつは,私は蜃気楼にも詳しいのですが,残念ながら蜃気楼ではないんです。ネット記事をうのみにしてはいけません。下の写真を見てください(2022年11月19日撮影)。三ヶ根山から三河湾を撮影したものです。三河湾の海面の真ん中あたりに境目があります。手前は暗めの色で,奥の方は明るい色をしています。手前と奥とでは海水の性質が違って海面の状態が違います。この境目は潮目と呼ばれています。これが船が飛んでいるように見える原因になっています。

三河湾の潮目

下の写真が種明かしです。わかりやすくするために,元画像のコントラストを上げて画像処理したものと比較しています。三河湾の特徴として,対岸に渥美半島がるのですが,適度に靄がかかって,半島の山がほとんでわからない状態になっています。また,船が浮かんでいる海面は潮目の向こう側です。上の写真でも同じですが,潮目の向こう側の海面はつるっとした感じで空を反射しているように見えます。ですから,潮目の向こう側は空と同じ色になり,船はあたかも空を飛んでいるように見えるのです。

空飛ぶ船の種明かし

蜃気楼

こちらは蜃気楼で船が浮かんでいる写真です(2022年12月9日撮影)。海面が暖かく,空気が冷たい状態で,光が曲がることで現れた蜃気楼です。「逃げ水」とか「浮島」と呼ばれる現象と同じものです。船の向こう側に見えている渥美半島も浮いています。上の写真で見た飛んでる船とはだいぶ見え方が違うことがわかると思います。

蜃気楼で浮かぶ船

まとめ

空飛ぶ船は蜃気楼ではないということで,蜃気楼関係者の間でも結構有名です。ネットの情報には誤ったものもあるので,いろいろな情報にあたったり,何が起こっているのか自分でよく考えることが大切だという教訓を与えてくれるものだと思います。

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