これまで,朝日や朝焼けのお話をしてきました。それらの観察をしているとたまに太陽柱(サンピラー)という現象に出会うことがあります。太陽柱とは太陽から光の柱が伸びているように見える現象です。これは,空気中に平ぺったい氷の粒が浮いていて,その氷で太陽の光が反射してできるものです。その時々の空の条件により,太陽柱がいろいろな顔を見せてくくれるので,今回はいろいろな太陽柱を見てみましょう。
空に伸びる太陽柱
下の写真は2011年1月17日撮影,そのさらに下のものは2019年3月24日撮影で,これらは朝日です。空に厚い雲はほとんどなく,空全体に氷の粒でできた薄い雲があり,,太陽柱が空高くまで伸びています。まさに,太陽柱が主役の空の風景です。
太陽柱と雲のコラボレーション
つぎは,厚めの雲に太陽の光が当たり,太陽柱が雲とコラボレーションしている風景の写真を示します。
下の写真は2015年1月10日撮影の朝日です。はっきりと見える太陽柱と朝焼けの雲,そして地上の街のシルエットが素晴らしいです。
つぎは2022年2月7日撮影の朝日です。暗めの厚い雲の手前に太陽柱が伸びています。厚い雲の下に氷の粒が浮遊しているものと思われ,太陽の光がそれに反射しています。厚い雲の下の一部に朝日が当たり赤く焼けており,それらが太陽柱と共演しています。
こんどは夕日です。2020年3月3日撮影です。厚い雲と雲の間に光の帯があります。
つぎは2018年1月6日撮影の朝日です。これも厚い雲の手前に太陽柱が見られます。暗めの雲が背景にあることで,太陽柱の光が見えやすくなっているようです。
さらに,2022年2月17日撮影の朝日を見ましょう。太陽柱が一部分しか出ていません。氷の粒は空のある一部分にだけあるようです。
こんどは2022年2月5日に撮影した朝日です。これで,2022年2月に撮影したものは3枚目となります。私は会社に勤めているので毎日朝日を見に行くのは難しいのですが,このときはだいぶ運がよかったみたいです。
太陽柱と幻日
最後の写真は2021年12月29日に撮影した朝日です。このときは,太陽柱が出ている状態で太陽高度が少し高くなったら幻日が現れました。幻日は写真の右のほうにあるボワーと明るい部分です。太陽柱と幻日のコラボレーションを初めて見ました。幻日も氷の粒によって見られますが,こちらは光の反射ではなく屈折によるものです。太陽高度が高いときの幻日は虹色が付いて見えたりするのですが,朝日は橙色なので,幻日も橙色になっています。
まとめ
太陽柱は太陽から上の方に伸びた,まさに柱のようなものです。反射なので虹のように七色になるということはないのですが,写真全体に広がり,とっても絵になるものだと感じています。また,出勤前,朝日で太陽柱に出会えたときは,その日一日がとてもハッピーな気分になります。昼間だと太陽を直接見るのは危険ですが,朝日や夕日は太陽のパワーがだいぶ弱くなるので,太陽の周りを見渡して太陽柱を探してみるのはいかがでしょうか。