朝日のいろいろ

あれこれ

気象予報士として子供たちにお話をするとき,「太陽を直接見てはいけません!」とまずはじめに注意をします。太陽光は強烈で,昼間の太陽を直視することは本当に危ないことです。しかし,ある条件のそろったときの朝日や夕日は,大気により太陽光が弱められて,直接目で見ても危なくない場合があります。そのようなときは,コンパクトカメラで太陽を撮影するチャンスでもあります。今回は,そのとき撮影した朝日の写真を見ながら,いろいろ見てみましょう。

太陽黒点が見える

大気で太陽光が弱められると太陽を凝視できるので,太陽をより詳しく観察することができます。下の写真はコンパクトカメラで撮影した太陽で,減光フィルタなどは使っていません(2023年11月23日撮影)。太陽の中に黒っぽいゴミみたいなものが数点あるのが見えます。これが黒点です。
小学生の頃,天体望遠鏡にフィルタをつけて黒点の観測をした記憶がありますが,こんなに簡単に太陽黒点を見ることができることを見つけたときには感動しました。太陽黒点については,専門機関が観測した結果を公開しているので(下記参考サイト),自分の撮影した画像と比べてみるのも面白いと思います。
参考)https://swc.nict.go.jp/trend/sunspot.html

太陽黒点が見える太陽

朝日の色のSun変化

つぎは,太陽の色の変化を見てみましょう。日の出から太陽が昇っていくところの写真を横に3枚並べています。太陽が低いところにあるときは通ってくる大気の層が厚いのに対し,昇ってくると通る大気層が薄くなってきます。ですから,太陽は昇るほどだんだん明るくなっています。

また,日によっても朝日の色は変化します。撮影日の異なる3組の写真を下に並べてあります。濃いめのピンクから黄色まで,こんなにも色が変化します。これは大気の状態,具体的には光を散乱するチリなどの濃さが影響しています。朝焼けや夕焼けと同じように,赤が強い色ほど大気で散乱される光が多いと考えられます。

ピンク色の太陽
オレンジ色の太陽
黄色の太陽

移り変わる朝日の色

大気の下層と上層で太陽光の散乱度合いが異なると,下の写真に示すように太陽の色が変化します。太陽高度が低いうちは赤色が濃く,昇るに従い黄色になっています。

オレンジ色から黄色に変化する太陽

火山が噴火して大気にチリが増えると太陽が赤っぽく見えるとか,山火事があって煙が街に充満すると町が黄色に見えるとか,大気が光を散乱することでいろいろな色を見せてくれます。皆さんも朝日,夕日を眺めながら,大気の状態に思いをはせてみてはいかがでしょうか?

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