朝日や夕日の横に明るく光っている雲を見たことはありますか? それが幻日,英語で「Sun dog」です。結構な頻度で見ることができますが,街を歩く皆さんがそれを見て写真を撮っているという場面には出くわしたことがありません。(私は空にカメラを向けて写真を撮っており,怪しげな人と見られているかもしれません。)そのようにひっそりと出ているので,今回興味を持たれたら,是非気付いてあげてください。
幻日のできる理由と特徴
幻日は氷の粒(六角形の平板状)の中を太陽の光が通り抜けることによってできます。平板状の氷の粒が空気の抵抗により水平の方向にそろってふわふわ浮遊しているときに見られます。その特徴は以下の通りです。
- 太陽から水平方向に視角で22°くらい離れたところに見える
- 太陽高度が低いと内暈とほぼ同じところに見えるが,太陽高度が高くなると内暈の外側にできる
- 氷の中を光が通過するときプリズムのように光の色が分かれるので色が付く。屈折率の小さな赤が内側(太陽側),青が外側。屈折率が小さい赤色の方がプリズムでの光の曲がり少ないので内側になる。下の写真(2019年4月13日 16時16分撮影)をみると,幻日の色がわかります。
- 左右の2か所に見える可能性があるが,片方しか見られないときもある
- 朝や夕方のように太陽高度が低いときの方が現れやすく,太陽高度が高すぎると現れない
下の写真(2021年11月18日 7時30分撮影)では,太陽の両側に幻日が現れていますが,幻日が縦に伸びた感じになっています。これは氷の粒が水平の状態からゆらゆら揺れている影響と考えられます。
いろいろな幻日
いろいろな幻日を見てみましょう。
下の写真(2020年1月11日 15時16分撮影)は飛行機雲に幻日が現れたものです。飛行機雲は氷の粒でできていることがわかります。
つぎの写真(2019年8月25日 17時33分撮影)は,太陽が雲で隠され,太陽の左側に幻日が現れたものです。色付きがとてもよい幻日となっています。
最後の写真(2021年12月9日 7時09分撮影)は朝焼けにできた幻日です。朝焼けなので,幻日も橙色です。この日は,太陽柱もできており幻日との共演となりました。太陽,幻日ともに海面に筋状に映っており,めずらしい写真が撮影できました。
幻日は出会える確率が高い現象です。見つけたらこのブログを思い出して,愛でていただければ幸いです。