輪島の道路

災害に備えよう

被災地の道路のニュースといえば,どこが通れるとか通れないとかというもので,どんなふうに道路が壊れていて,なぜ通れないのかというのがなかなか伝わってきません。今回は道路の壊れ方や復旧の様子について見てみましょう。

山沿いの道

金沢方面と輪島を結ぶ主要道路が「のと里山海道」です。私が輪島に行ったとき(2024年8月上旬)には通行止め区間はありませんでしたが,仮設道路となっているところがかなりあり,金沢と輪島を結ぶ特急バスはそのような区間を避けて運用されている状況でした。

一番最初に掲載した写真はのと里山海道の典型的な壊れ方をしたところに自動車がはまって,いまだ回収されていない様子を示しています。山沿いの道路では,車道を支える路盤が崩落して道路が落ちているところが多いです。下の写真は路盤がなくなり,ガードレールがぶら下がっている様子がわかります。崩落個所の横に土のうを積んで,自動車が通るような応急処置がしてります。

のと里山海道の崩落個所

補修が進むと,崩落個所に崩落防止の擁壁を作り,そこに道路を作ろうとしているようなところがあります(下の写真)。

のと里山海道の道路補修工事

また,完全に崩落しないまでも,地震の揺れで道路の下の土が動いて道路に亀裂や凹凸ができたりしています。

地震によるのと里山海道の亀裂

2車線あるいは4車線の道路がすべて完全に崩落しているということはなく,残っている車線を使って片側交互通行するとか(下の写真),崩落した斜面と反対側に道路を作るスペースがあれば,そこに仮設道路を作るなどされています。

のと里山海道の片側交互通行

海沿いの道

海沿いの道路はいまだ通行止めのところがあります。下の写真は有名な千枚田のところにある通行止めポイントです。

千枚田の通行止め箇所

下の写真は海沿いの道路を走ったときに撮影したものです。いま居るところの道路を見ると,海側の車線が山側の車線に比べ低くなっていることがわかります。海側の地面を見ると,地面に亀裂ができて道路を支える土が海側に動いています。そのため,路面が低くなってしまいました。また,遠くの方に目をやると,海沿いの斜面が所々で崩れているのがわかります。

能登半島の海沿いの道

下の写真は山の斜面が崩落して道路に覆いかぶさったところです。土のうの少し上にガードレールや標識があるのが見えます。もともとはそこに道路がありました。仮設道路がもとの道路より低いところに作られ,そこから見ています。

海沿いの道の崩落個所

つぎは,まだ通行止めで仮設道路を一生懸命作っているところを遠くから見たものです。山の中腹にあった地震前の道路は斜面の崩落により崩壊してしまっています。建設中の仮設道路はそこを避けて海側に作られています。

海沿いの道の仮設道路建設

このように見てくると,かなり無理をして仮設道路を作り,何とか通れるようにしているということが良くわかります。山の崩れ方や道路の崩壊が大規模なところがあるので,本格復旧までにはまだまだ時間がかかりそうだということが想像できます。

街中の道

街中の道は,下の写真のようにうねっていたり,傾いていたりする場所や,亀裂のあるところが至る所にあります。また,写真にはありませんが,掘り起こして工事をしたところなどは部分的に舗装がされていないところがあったりします。

輪島の街中の道

また,下の写真はコンビニの駐車場の写真ですが,たくさんのひび割れができています。ひび割れを補修してコンビニの営業が続けられています。

輪島のコンビニ駐車場のクラック

まとめ

これまで道路の壊れ方や開通させるための様子などを紹介してきました。現状はとりあえず通れるように何とかしているという状況で,大雨が降ったりすると心配な点が多々あるように感じます。街の中を見ても発災当時のままというところもかなり残っているのでなかなか手が回らないというところかと思います。私も少しでもお力になれるようかかわりを続けたいと思います。

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