朝焼けや夕焼けの空では太陽光の中の波長の短い成分が散乱されて,黄色や赤色の光が残ることになります。今回は,そんな黄色や赤色に照らされてできた虹を見てみましょう。
朝焼けの中
うちの近所では西側に標高300mくらいの山,東側に三河湾があるので,写真を見れば虹がどの方角に出ているかわかります。まずは朝,虹が山側(西側)に出ているところを見ましょう。
下の2枚の写真は,ともに2023年9月12日 5時44分頃撮影したものです。朝焼けで太陽の光の色は黄色っぽくなっています。虹の色も青や緑はほとんど目立たず,黄色と赤が強く出ている虹となっています。主虹の外側はアレキサンダーの暗帯といって少し暗く見えるのですが,主虹の内側は雨粒で散乱された光で照らされて明るくなっています。今回は朝焼けの黄色がより強く見えています。
下の写真は虹の全体が見えています。朝焼けの黄色は左半分できれいに見えています。空が黄色ぽいので昼間に見える虹とは少し雰囲気が異なります。
夕焼けの中
つぎは夕焼けの中の虹です。下の写真(2019年9月8日 17時55分撮影)では,夕焼けが黄色から橙色に色付いています。これも主虹の外側が暗く,内側が明るく夕焼けの色が強く出ています。虹のふもとにある白い柱は田原の風車たちです。
最後の写真(2021年3月1日 17時31分撮影)は薄く橙色に色付いた夕焼けです。虹付近が特に赤っぽくなってくれました。もとの太陽光が赤っぽいので,主虹の内側にあるべき青色はやっぱりわかりません。
まとめ
雨が降ってさらに朝焼け/夕焼けになるというのは確率的になかなか出会えるものではありません。今回はそんなレアな虹を集めてみました。太陽光の色の中から波長の短い側(青い側)が弱められるので,虹の色付きが変わり,さらに背景色も変わっていつもの虹とはだいぶ違う雰囲気を見せてくれました。自然の芸術美を堪能していただけたら幸いです。