虹は太陽を背にして立ったとき,太陽と自分の目を結んだ線を延長した先の点(対日点)を中心に半径約42°(主虹)と約51°(副虹)のところに見えます。太陽高度が高くなるに従い,対日点はどんどん低くなっていくので,虹の高さも低くなっていきます。今回は,いろいろな高さの虹について見てみましょう。
太陽高度により高さの変わる虹
まずは太陽高度5°(2023年9月12日 5時57分撮影)のときの虹です。大きな虹が出ています。主虹と副虹が出ている「ダブルレインボー」です。
つぎは太陽高度15°(2024年2月18日 16時10分撮影)です。最初の虹に比べ少し低い位置に出ています。これも薄く副虹が出ています。また,堤防の上から撮影しているため海面から4mくらい高い位置から見ていることになり,目の位置と海面の間にある雨粒でできた虹が見え,虹の根元が不思議な感じになっています。
3枚目は太陽高度24°(2023年9月11日 7時34分撮影)です。だいぶ虹が低くなりました。電線が邪魔な感じになってきました。
4枚目は太陽高度29°(2020年12月25日 13時13分撮影)です。橋の高いところから撮影しているので自分の高さより低いところまで虹が見えています。きれいなダブルレインボーです。
5枚目は太陽高度33°(2024年3月12日 14時58分撮影)です。主虹は対日点から半径約42°のところに見えるので,虹の上の10°分くらいが見えていることになります。
最後は太陽高度37°(2021年11月9日 10時40分撮影)です。かなり低くなってきて橋の上でないと家が邪魔で撮影できないレベルです。感覚的に真横よりわずかに上に出ている感じです。
まとめ
虹の高さは太陽の高度で変わるといわれても,実際に見てみないとよくわからないのではないかと思います。今回は太陽高度が低いものから高いものへ順番に並べてみました。これらの写真を並べて比べてみると,感覚として現象を感じていただけるものと思います。大きな半円の虹もきれいですが,街のすぐ上に出ている虹も街と一体になってきれいです。皆さんもいろいろな虹を楽しんでください。