虹を見てみると,時と場合によって微妙に色が異なることがわかります。最初に示した写真に3つの虹を掲載しましたが,青が強く見えていたり,青がほとんど見えず赤が強く見えたりするのがわかります。
今回は,そんな虹の色について考えましょう。
朝焼け・夕焼けによる赤い虹
まずはわかりやすいところから見ていきます。朝焼け・夕焼けのときは,虹を作る太陽光の色が赤っぽくなっているので,虹も赤っぽく見えます。
これを定量的に解析するために,写真の各画素のRGB(光の3原色である,R:赤,G:緑,B:青)の強度を解析ソフトImageJにて求めました。主虹の半径方向位置について,主虹内周端を0,主虹外周端を1とし,RGB強度プロファイルをグラフにしました。
朝焼け・夕焼けのときは太陽光が赤っぽいので,主虹の内側(虹の半径方向位置が0未満)や外側(半径方向位置が1より大きい)では赤の強度が最も大きくなっています(グラフの線の色がRGBの各色を表します)。主虹が出ている半径方向0~1のところを見ると,青の強度は極大点の盛り上がりがほとんどなく,虹として青色がほとんど出ていないことがわかります。これに対し緑や赤はピークを持ち,その中でも赤のピークが大きくなっていることがわかります。
虹の色の濃さ
それでは,朝焼けや夕焼け以外のときはどうでしょうか? 以下に6つの虹を示します。それぞれの虹の主虹の内側あるいは外側はRGBがほとんど同じ強度か,青が強めの分布となっています。青が強いのは青空の散乱の影響を受けている影響と考えられます。
最初のふたつはRGBの極大値が3つの色でほぼ同じで,各色が均等に出ているものです。虹の7色がきれいに出ていると思います。ただ,個人的には7色あるとは見えず,紫・青・緑・黄・橙・赤の6色に見えます。
つぎの2つの虹は青が強く出ているものです。
最後のふたつの虹は赤が強く出ています。主虹でないところは赤が優勢ではないので,朝焼けや夕焼けが要因ではないことはわかります。
虹の色に影響する因子
虹の色は雨の水滴径が影響するといわれており,以下の文献によれば「水滴の半径0.5~1mmでは,紫色が輝き,緑色がはっきりする。赤色は出るが、青色は薄い。」「水滴半径0.25mmでは,赤色はかなり弱い」とあります。この文章からは,今回の解析との関連はよくわかりません。
文献)Amazon.co.jp: 授業 虹の科学: 光の原理から人工虹のつくり方まで (「ひと」BOOKS) : 西條 敏美: 本
また,別の文献では「どの色が現れやすいかは雨滴の大きさによる。大きい雨滴(直径1~2ミリメートル)のときは、赤、橙、緑、すみれ色がはっきり出る。また小さい雨滴(直径0.2~0.3ミリメートル)のときは橙、緑の2色くらいとなり、虹の幅も広くなる。」
参考)虹 | 日本大百科全書 (japanknowledge.com)
水滴の大きさで色が影響するようですが,私はもう少し勉強する必要があり,今回ははっきりした解説をすることは無理そうです。私が理解できたらまたブログにアップします。