いろいろな飛行機雲ふたたび

あれこれ

飛行機雲のある・なし

今回はいろいろな飛行機雲を見ていきましょう。空に飛行機雲が出ていても,必ずしもすべての飛行機で飛行機雲ができているわけではありません。上の写真(2024年3月27日撮影)や下の写真(2024年6月11日撮影)では,飛行機雲のすぐ近くを飛行機雲のない飛行機が飛んでいます。同じ空を飛んでいるのに飛行機によって違うというのは不思議ですね。

これは,飛行機が高さの違うところを飛んでおり,高さによって空気の湿り具合が異なることが原因です。空を注意深く見ると,高さの違うところに雲ができているときがあります。そのことからもわかるように,高さ方向で湿っている層と乾燥している層があったりします。これを飛行機雲が目に見えるように(可視化)してくれています。

飛行機雲と飛行機雲のない飛行機

消えていく渦管の飛行機雲

以前のブログで翼端渦が飛行機雲に及ぼす影響について説明しました。
翼端渦と飛行機雲 | ふわっとサイエンス
今回は,翼端渦による渦管が見えている飛行機雲について見てみましょう。下の写真には翼端渦による2本の渦管とそれに取り残された飛行機雲が見えています。このような渦管の雲は見てている寿命が結構短くて,下の写真では35秒程度の間に雲が消えていく様子が示されています。

2本の翼端渦による渦管を伴った飛行機雲
飛行機雲が消えていく様子

次の写真も同じような例です。飛行機雲を作りながら飛行機が飛行しています。しかし,その飛行機雲はだんだん消えていき,最後に2本の渦管のところが残っています。そして,その渦管もとぎれとぎれになってやがて見えなくなります。

飛行機雲
消えていく飛行機雲の様子

複数の飛行機が織りなす物語

空を見るだけではわかりませんが,そこには飛行機が通る道,「航空路」または「航路」があります。そのため,同じようなところに飛行機雲が集まってできていたりします。今回は少し珍しい例を紹介します。

下の写真には,短い飛行機雲ができた飛行機が3機写っていることがわかりますか? 写真の左端に1機,右端に2機です。左端の飛行機は雲を突っ切って飛んできたので,通り道に雲の消えた消滅飛行機雲が現れています。右端の2機は,その消滅飛行機雲に沿って飛行していきます。

消滅飛行機雲をトレースして飛ぶ2機の飛行機

2機の飛行機が形成する飛行機雲は,それぞれ濃くてはっきりしているものと,薄くて短いものとなります。雲の濃いほうの飛行機は雲の薄いほうに比べ速度が速く,追い抜いていることがわかります。また,2機の飛行機は進むにしたがって航路が近づき,やがてクロスしています。それでも,前の飛行機が残した消滅飛行機雲付近を仲良く飛んでいます。

近接して飛行する2機の飛行機

つぎの写真(2024年3月31日撮影)は1機の飛行機に向かい,別の飛行機が向かっていく様子をとらえています。ぶつかるのではないかとひやひやします。しかし,飛行機雲の残り方が異なることからもわかるように,飛んでいる高度が異なるのでぶつかることはありません。

ぶつかりそうな飛行機
もうすぐぶつかりそうな飛行機

まとめ

飛行機雲のでき方や消え方,さらには複数の飛行機が織りなす飛行機雲を見てきました。同じ飛行機雲でも時間を追って観察したり,ほかの飛行機雲との関係を見たりすることでいろいろなことに気付かされます。まだまだ,飛行機雲の奥深さを探求したいと思います。

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