春が近づいてきて近所の梅の花も咲き始めました(2025年2月22日撮影)。2月に入り寒い日が多いせいか,まだちらほらという感じです。

2月,冬型の気圧配置となり寒気が入り,三河地方にも雪雲が流れ込みました。そのとき,雪雲が面白い様子を見せてくれたので紹介します。
雪雲と雨の境目
2025年2月18日夕方(16時45分頃),渥美半島の方に雪雲が流れ込み,蒲郡から雪が降っている様子が見えました。下の写真では蔵王山のところで降雪し,雪で山が隠れています。

蔵王山から東の方に目を移します(下の写真)。新来島豊橋造船の西側(写真の右側)は地表付近まで霞んでおり,地表まで雪が降っていると考えられます。ところが,新来島豊橋造船の東側(写真の左側)では地表近くが明るくなっています。

さらに東側を見ても同じように地表面付近が明るくなっています。下の写真の左側に写っている島は三河大島です。

三河大島の西側にある仏島付近を拡大して見たのが下の写真です。写真の中央から少し右側のところに岩礁である仏島があり,その向こうに三河港コンテナターミナルのクレーンが見えます。クレーンの高さ分くらいが明るく,そこから上に行くに従い暗くなっています。おそらく,地表面近くの明るいところは雨またはみぞれになっており,上空では雪が降っているものと思われます。

写真を撮影した時刻における気温,相対湿度を近くにあるアメダス(豊橋)で見ると,気温は4.5℃,相対湿度は55%RHでした。気温,湿度で雨になるか雪になるかはいろいろな研究がされていて,下記参考文献にあるようにまとめられています。
参考)https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2001/2001_01_0033.pdf
この参考文献のグラフにアメダス(豊橋)の気温,湿度をプロットしてみると,きりきりで雪になる条件となります。

しかし,写真に写っているところは海の上だったり海に囲まれた陸地であったりするので,もう少し気温が高いのかもしれません。ですから,雪で降ってきたものが地上(海上)に到達する直前に雨またはみぞれとなり,明るく見えているように思われます。
まとめ
雪の降る日に面白い風景を見つけたので紹介しました。上空から雪が落ちてくる途中で雨に変わると,たまに雨雲レーダに「ブライトバンド」というものが写ってわかることがあります。しかし,目でそのような境目を見るというのはそれほど多くはないと思います。今回の写真は「たぶんそうだろう」という話でしたが,渥美半島にいる人にその時の状況を聞けるとよかったと思います。