春になって庭にたくさんチューリップが咲きました。その中に,1枚の花びらだけ赤黄の2色になったチューリップがありました。今回は,その珍しいチューリップを紹介します。
二色のつくりを詳しく見ると・・・
チューリップの花に近寄って詳しく見てみましょう。花びら1枚が見事に半分赤・半分が黄になっています。花の上から見ると,6枚ある花びらのうち,外側の3枚のひとつが赤・黄になっていることがわかります。
ちなみにですが,6枚の花びらの由来は2種類あり,外側の3枚の花びらは「がく」由来のものです。
参考)チューリップの花には、なぜがくがないの

花びらが2色になる類似の例をネット情報で調べたところ以下の三つの例がありました。
2色の花びらのチューリップを発見! 謙信公武道館の花壇に1本だけ – 上越タウンジャーナル
赤・黄2色に分かれたチューリップ/むつ|青森ニュース|Web東奥
北海道新聞 旭川報道部 | 赤と黄2色のチューリップが旭川市の住宅の庭に咲きました
これらの例と今回のチューリップを比較により,以下のふたつのことがわかりました。
- 2色になる色のパターンはどれも赤・黄
- 赤・黄になる位置は「がく」に相当する花びらに限ったものでなく,複数枚の花びらに今回のような2色が出現ことがある
花の色はそこに含まれる色素の種類によって違いが生まれます。赤なら赤色の光以外を吸収し赤を反射する色素,黄色なら黄以外を吸収し黄を反射する色素です。白の場合はいろいろな色の光が反射されており,光を吸収する色素が含まれていません。

赤と黄の二色になっているということはそれぞれにその色の色素があるということですが,なぜその違いが生じたのかということはわかりません。そこで,チューリップの花びらが落ちたところを回収し,写真を撮影しました。下図の左側の写真が花の内面側です。黒い斑点があるのが付け根側で,付け根近くでは赤半分側でも黄色であることがわかります。よく見ると赤のエリアの先の方に少し黄色がかったところがあります。黄と赤の境目ははっきりと分かれています。でもここからは赤黄になった原因はわかりそうもありません。

まとめ
赤と黄の二色になったチューリップについて紹介しました。珍しい現象ではありますが,ネットには類似の例が紹介されていました。原因を明確にすることはできませんでしたが,この現象を理解するには花のでき方などさらなる調査が必要です。