ヒキガエルの命運とタゴガエルの卵

あれこれ

最初の写真は本宮山の登山道の脇に咲いていた牡丹です。2025年4月27日,本宮山に登ったときに見つけたものです。本宮山に行くたびに新たな発見があります。1年前の5月頃にはモリアオガエルの卵を見つけ,今年の春はヒキガエルやヤマアカガエルの卵を見つけました。
【季節の話題】モリアオガエルの卵 | ふわっとサイエンス
【季節の話題】本宮山の春・カエルの卵 | ふわっとサイエンス
今回は先日見つけたヒキガエルの卵のその後と,別のカエルの卵を見つけたので報告します。

ヒキガエルの命運

以前,水たまりに産み付けられたヒキガエルの卵について紹介しました。
本宮山の春・カエルの卵2週間後 | ふわっとサイエンス
4月12日のときには水たまりは結構な面積でした。それから約2週間後の4月27日には水たまりの面積は縮小し,ふたつの水たまりに分かれていました。ヒキガエルの卵がどうなったかといえば,無事にオタマジャクシになったものがいました。オタマジャクシは残った水たまりの中で身を寄せ合って過ごしていました。孵化してからカエルの形(生体)になるまで1か月かかります。
参考)アズマヒキガエルの成長記録
生体になるまで水たまりが残っていれば干上がっても自分で移動できるようになります。それまで雨が何回か降って水たまりが干上がらないことを祈ります。ヒキガエルの命運はいかに・・・という感じです。

水たまりに産み付けられたヒキガエルの卵

一方,干上がることを心配せずに過ごせる場所で暮らすオタマジャクシたちもいます。下の写真は本宮山山頂近くの池です。桜の花びらが池に浮いています。池の中には何やら黒い塊が散在しています。近くで見ると,黒い塊はオタマジャクシが集まってじっとしているものでした。ここにいるオタマジャクシは水たまりにいるオタマジャクシたちのような水が干上がる心配もなく過ごしています。ただし,もう少しするとアカハライモリが出てくるので,それまでに大きくなって食べられないようにならないといけません。ヒキガエルは春の早いうちから産卵し,天敵が出てくる前に大きくなる戦略です。こちらも天敵が来る前に大きくなり切れるか命運はいかにです。

池で生まれたヒキガエルのオタマジャクシ

タゴガエルの卵を見つけたよ

山を歩いていたら,湧き水で濡れた岩場からカエルの鳴き声がしてきました。これまでは気にも留めずにやり過ごしていたのですが,今回初めてじっくり観察しました。鳴き声の方向を探してもカエル自体は見つけることができませんでした。しかし,下の写真に示すように岩場の水がわずかにたまったところにカエルの卵を見つけました。

岩場に産み付けられたタゴガエルの卵

近くに寄って卵を見てみました。画像検索とカエルの鳴き声から「タゴガエル」の卵とわかりました。
参考)タゴガエル:カエルの鳴き声図鑑
こんな岩場でオタマジャクシになっても食べ物はあるかと心配になりました。しかし,調べてみるとオタマジャクシが餌を食べなくても卵の栄養だけで子ガエルになるみたいです。
参考)箱根(はこね)生(い)きもの図鑑(ずかん) (10)タコガエル | 箱根町

タゴガエルの卵

まとめ

カエルの種類によって生き残るための戦略がいろいろあります。山にウン十年登っていますが,これまで自然の生物たちに目を向けてこなかったので初めて知ることがたくさんあります。春は嫌な虫む少ないので,皆さんも山に出かけられてはいかがでしょうか。ただ,蛇はカエルを食べに来るので蛇には気を付けてください。

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