太陽が真南に来るのはいつ?

日の出 なんでも実験

pythonで日の出・日の入り時刻を計算できるようにしたので,これを利用して太陽の動きをさらに理解できないかと考えました。特に前の記事で午前と午後の昼間の長さが複雑に変化していることを見ましたが,この原因は太陽が真南に来る(太陽の高さが一番高くなる)南中時刻が影響していると推定し,南中時刻と太陽高度を計算していろいろ考えたので紹介します。

南中時刻と南中時の太陽高度

南中とは「天体がちょうど真南にくること」です。このとき,高度が一番高くなります。今回はわかりやすいようにpythonでの計算条件を,日本標準時の子午線(東経135°)に設定し南中時刻を計算しました。また,北緯は35°,標高は0mです。太陽高度は地平線方向を0°,天頂(頭の真上)を90°としたときに太陽が何度の方向にあるかとしました。

下の図に南中時刻と南中時の太陽高度の関係を示します。太陽高度は夏至のときに最も高く,冬至のときに最も低くなります。南中時刻とその時の太陽高度の関係は8の字を示しています。南中時刻は2月11日が最も遅く,そこから少しずつ早くなって,5月14日を過ぎると再び遅くなり,7月26日以降はまた早くなり,11月3日を過ぎると遅くなります。

南中時刻と南中時の太陽高度

日本標準時の基準である東経135°で計算しているので,平均的には12:00が南中時刻になります。そこで,12:00と南中時刻の差を計算しました。なお,これは均時差といわれます。1年で2回山があり,ふたつの山は高さが変化しています。均時差は,以下のふたつの要因の影響を受けて変化します。

  1. 地球の公転軌道が楕円によるもの
  2. 地球の自転軸が公転面(地球の公転する楕円の面)に対し垂直(90°)ではないため
    (自転軸は公転面の垂線に対し23.4°傾いている)
均時差の時間変化

地球の公転軌道が楕円によるもの

いま,地球にいる人の頭の上に太陽があるとしましょう。そこから地球が自転して1回転したとします。そのとき,太陽は再び頭上に来るでしょうか? じつは,地球が自転する間に太陽の周りを動いている(公転している)ので,公転した分だけ太陽の方向が頭上からずれています。下図に示すように,公転でずれた分θだけ余分に自転すると太陽が頭上に来てくれます。このように,公転の影響分だけ余分に地球は自転して1日となります。

公転が自転に及ぼす影響を示す図

それでは,地球の公転はどのようになっているのでしょうか? 下の図に示すように地球の公転軌道は楕円をしており,地球と太陽の距離は夏至の頃は遠く,冬至の頃は近くなっています。

地球の公転軌道

平均公転速度は約30km/sですが,ケプラーの第2法則により,太陽から遠い夏至の頃は公転速度が遅く,太陽に近い冬至の頃は公転速度が速くなります。公転の影響で1日の間にθだけ余分に自転する必要がありますが,公転速度が小さいときのθをθ1,公転速度が大きな時をθ2とすると,θ1<θ2となります。このことから,夏至の頃より冬至の頃の方が南中からつぎの南中までの間に余分に自転する必要があり,その所要時間が長くなることがわかります。

公転軌道が楕円であることが南中からつぎの南中までの時間に及ぼす影響

公転速度は1年の中で遅い・速いを1回繰り返すだけなので,この要因による変化は1年で1周期(山と谷が1個ずつ)で下図のように変化します。

公転軌道が楕円であることが南中時刻に及ぼす影響

地球の自転軸が公転面に対し垂直でない影響

つぎに,地球の自転軸が公転面に対し垂直でなく傾いていることの影響について見てみましょう。なお,公転軌道が楕円であることの影響を無視するため,ここでは公転軌道は円とし,季節によらず公転速度は一定と仮定します。

下の図は太陽の方から地球を見たものと考えてください。地球は図の右から左の方向に公転しています。夏至・冬至の頃,太陽から見ると地球の自転軸(地軸)が公転面に対し垂直なように見えます。ここで,地球上で太陽が南中するところに着目すると,前述のように1日で公転した影響の分だけ地球が余分に回転する必要があります。南中するところ付近だけを見れば,地球の表面が動く方向と公転方向は平行となっています。

公転面と自転軸が傾いている影響,夏至・冬至の頃

これに対し,春分や秋分の頃は地軸が公転方向に対し傾いて見えます。地球の公転により南中するところが移動する量は夏至・冬至の頃と同じですが,地軸が傾いているため余分に自転しなければならない量が夏至・冬至の頃より少なく,南中~南中の間の長さが短くなります。
参考)https://nagoya.repo.nii.ac.jp/record/3376/files/KJ00002360106.pdf

公転面と自転軸が傾いている影響,春分・秋分の頃

南中からつぎの南中までにかかる時間は,夏至・冬至の頃と春分・秋分の頃に極値を持つので,1年で2回ずつ山と谷があります。

地軸が公転面に対して傾いていることが南中時刻に及ぼす影響

日の出~南中・南中~日の入りの間の長さ

南中を挟んで,日の出~南中と南中~日の入りの間の長さを比較してみましょう。秒単位まで見ると,日が長くなっていく夏至の前は南中~日の入りまでの方が長く,夏至の後は日が短くなっていくので南中~日の入りまでの方が短くなります。また,均時差の影響で南中時刻の変動があり,冬至前後は日の出~南中と南中~日の入りの時間はほぼ同じ期間があります。

日の出から南中までと,南中から日の入りまでの時間の差

まとめ

前回のブログと合わせて,日の出・日の入り時刻や南中時刻の理解がだいぶできたと思います。均時差,特に公転面と自転軸の傾きが与える影響を理解するのは大変難しいです。また,南中~南中の間の時間変化と,実際の南中時刻との関係もパッと見はわかりにくいです。積分するのですが,なかなかイメージをつかむのが難しいです。そのあたりで,このブログが役に立つと嬉しいです。

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