2026年1月10日の朝,風が弱く放射冷却で冷え込みました。風も弱かったので渥美半島の地上付近に冷たい空気が溜まり上位蜃気楼が現れ,珍しい日の出が見えました。また,上空の空気も急激に温度が変わるところが何層かあって,グリーンフラッシュが見えました。最初に掲載した写真がそれです。今回はこの日の日の出について詳しく見てみましょう。
上位蜃気楼による変形太陽
下の写真には渥美半島の陸地を挟んで下側には下位蜃気楼,上側には上位蜃気楼が見えています。下位蜃気楼はしばしば見られますが,上位蜃気楼は大変珍しいです。上位蜃気楼では建物の伸び方で蜃気楼の上端が確認できます。日の出の太陽は蜃気楼の上端部でフラットになっており,日の出が進むと陽炎のように上端部の上から光が現れました。


上位蜃気楼の中に現れたもうひとつの太陽
太陽がさらに昇り,太陽の下端部付近が上位蜃気楼に来たときの様子を示します。日が昇るに従い上位蜃気楼の上端部に1本の線ができます。この線で太陽の下端部がフラットに見えます。上位蜃気楼の中にはもうひとつの太陽が見えます。これは太陽の下端部が反転して見えているものです。もうひとつの太陽は時間が経つとともに蜃気楼の中で沈んでいきます。

幾重にも重なる大気の層
大気のなかで温度が急激に変化するところが何層かあって,そこで太陽光が屈折している様子も示します。今回は層の境目が4つ見られました。層の境目を太陽の上端部が掛かるときと,下端部が掛かるときの写真を示します。
ひとつ目,太陽の一部が分離したように見えます。上端部の場合,分離したものは徐々に大きくなって太陽本体に取り込まれます。下端部の場合,分離したものは小さくなって見えなくなります。

ふたつ目,上端部の分離はありませんでしたが,下端部の分離が見られました。

3つ目です。

4つ目は下端部の現象がはっきりしませんでしたので上端部のみ示します。ここでグリーンフラッシュが見えました。

まとめ
私の調べた限り,三河湾において今回のような下位蜃気楼と上位蜃気楼が同時に出現した例が観測された例はないと思います。もし過去に同じような観測事例がることをご存じの方があれば連絡いただければと思います。

