二段の逆転層による日の出の演出

グリーンフラッシュ あれこれ

2026年1月17日,逆転層により日の出のショーが演出されました。太陽の変形だけでなく,黒点が伸長したり,グリーンフラッシュが現れたりと奇跡的なものでした。このようなショーになった原因は逆転層が二段になっており,そこを太陽が昇って行ったからです。今回はその様子を紹介します。

二段の逆転層

日の出前の周りの様子を下の写真に示します。蒲郡から三河湾をはさんで田原の蔵王山(標高250m)方向を見ています。蔵王山の頂上より少し低いところに大気層の境界①があります。

日の出前の逆転層の様子

つぎに,日の出のときの様子を示します。空をよく見ると先ほどの大気層の境界①の上にもうひとつの大気層の境界②があります。大気層の名前を地面に近い側からA層,B層,C層と呼ぶことにします。A層とB層は温度勾配の異なる二段重ねの逆転層と考えられます。太陽光の屈折度合いが変化し,いろいろなことが起こる予感がします。

逆転層が二段になっている様子

二段の逆転層における太陽の変形

日が昇り,A層を通して太陽が見えます(下の写真左側)。A層の中でも複雑な温度分布があるみたいで,太陽はギザギザしています。サッカラの階段ピラミッドみたいです。
太陽の上部がB層に入りました(写真右側)。A層の部分とB層の部分の色の違いから,A層の方が光の透過率が低いことがわかります。また,寸胴状のA層の上に丸い屋根のようなB層の部分が乗っかりドーム球場のように見えます。

A層⇒B層における太陽の形

さらに時間が進むと(下の写真左側),B層のところは富士山のような形になり,A層では逆向きの階段ピラミッドとなりました。
下の右側の写真では,太陽の上部はC層に入っています。B層とC層の境に耳のような突起が現れ,太陽の前を2羽の鳥が通過し,それが鼻のように見えます。動物の顔のようです。

A層⇒B層⇒C層における太陽の形

下の右側の写真では太陽がB層とC層にまたがっていますが,B層の太陽はスリムに見えます。また,太陽の明るさを見ると,C層に比べB層の方が暗く,B層の光の透過率はC層より低いことがわかります。このことから,A層⇒B層⇒C層の順番で光の透過率が高くなっているといえます。
左側の写真では太陽がC層に入りました。上下に潰れた楕円形ではありますが大きな変形はなくなりました。

B層⇒C層における太陽の形

黒点の形状変化

A層・B層では太陽の光が弱くなっているおかげで普通のカメラでも黒点がとらえられています。黒点の動きを見ると太陽像の変化をより詳しく知ることができます。
下の写真に示す太陽の中心軸付近(A層部分)に黒点が見えます。一番左の写真では黒点がひとつですが,2秒後(中央の写真)に黒点がふたつになり,その4秒後(右の写真)にはふたつの黒点がつながって線状に変化しました。黒点のところが上下に伸びて見えていることがわかります。

A層における黒点の伸長の様子

B層での黒点も見てみましょう。下の写真の太陽の中心付近に黒点がありますが,線状に変化して点に戻る様子が観察できます。

B層における黒点の伸長の様子

グリーンフラッシュ

今回の日の出でグリーンフラッシュは2回現れました。下の写真はA層において見られたものです。また,この記事の一番最初に掲載した写真はB層におけるグリーンフラッシュです。

グリーンフラッシュ

まとめ

今回は変形太陽・黒点の伸長・グリーンフラッシュと奇跡のような日の出を見ることができました。このような日の出を見ることができるのも,三河湾や豊橋平野の地形・気候が影響しているものと思われます。そのあたりも考えていきたいと思います。

参考)サッカラの階段ピラミッドは下の写真のような形状をしています。

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