2026年3月1日は明け方まで風が強く,三河湾に放射冷却による逆転層は見られませんでした。そのため,上位蜃気楼の観測は難しいかと思いましたが探しに出かけました。その結果,これまでとは少し違う出現の仕方の蜃気楼を見つけたので報告します。
気温の変化
この日の各所の温度変化を下図に示します。今年観測したこれまでの蜃気楼では,蜃気楼の現れるタイミングで三河湾1号ブイの温度が急に上昇していました。しかし,今回蜃気楼が見えたタイミングではそのようなことはありませんでした。また蜃気楼の継続時間は数分で,30分程度継続したこれまでとは異なっていました。さらに,蜃気楼は蒲郡の三谷温泉とラグーナ付近にしか見えず,範囲の限られたものでした。

以上のことから,今回見えた蜃気楼は蒲郡の陸地でできた相対的に温度の高い空気が海の冷たい空気の上に流れ出して,短い時間蜃気楼を発生する条件を満たしたものと推測しています。
観測された蜃気楼
観測場所は西浦の海岸です。そこから見た3方向の蜃気楼を示します。それぞれの方向で見る高さを変えて写真を撮影しました。
ひとつめは蒲郡の三谷の街です。観測地点から写真の防波堤までの距離は6.5kmです。上の写真では海沿いの家々が伸びています。これに対し,下の写真では防波堤が伸びています。

ふたつめはラグーナのホテルです(観測地点からの距離9km)。上の写真では2階が大きく伸びているのに対し,下の写真では4階付近がいちばん伸びています。

三つ目はラグーナ蒲郡のマンションと観覧車(観測地点からの距離8.4km)です。黄色や青色の屋根の伸び方が上と下の写真で大きく異なります。

まとめ
この日は小牧基地でブルーインパルスの展示飛行がありました。蜃気楼探しに行くかそちらに行くか迷いましたが,出現パターンの新しいものに出会えたので蜃気楼探しに行って正解でした。
