飛行機雲を見て楽しもう

あれこれ

飛行機に乗って高いところから地球を眺めるとワクワクします。上の写真はアメリカに行った帰りにアラスカ上空を飛んでいるときに撮影しました。氷河がきれいに見えます。また,空は地上から見るよりも青く見えています。飛んでいる高さは地上から10km以上だと思います。

そんな飛んでいる飛行機にできる飛行機雲を見るときもワクワクしませんか? 「あの飛行機はどこへ行くのかな?」,「地上は暖かいけど,飛行機が飛んでいる高さは極寒だろうな」,「飛行機雲にもいろんな形があるんだな」とか思ったりしませんか?

そんな飛行機雲の情報を得たり,その情報をもとに考えたりすることを通じ,ワクワクしましょう。

飛んでいる飛行機のことを知ろう

私の住んでいるところの空にはたくさんの飛行機が通ります。ですから,近くの山には下の写真に示す航空路監視レーダー(ARSR :Air Route Surveillance Radar)があります。

航空路監視レーダー

たくさん飛行機が通るため,条件がそろえば大好きな飛行機雲をたんのうできます。飛行機雲を見るときに,行先とか飛んでいる高さがわかると楽しみ方が広がります。そんな情報を得るのに有名なサイトが「フライトレーダー24」(https://www.flightradar24.com/)です。サイトを訪れると地図上に機体の絵が表示され,その絵をクリック(タップ)すればその飛行機について以下の情報が得られます。

  • 出発地からの航路
  • 便名
  • 出発地,目的地(出発時間,到着時間)
  • 機種
  • 気圧高度
  • 対地速度

地図に表示される機体の絵は,機体のサイズやエンジンの数に対応したものになっているので,それだけでも大変参考になります。下の写真は2022年3月21日10時43分に撮影したもので,太陽の周りにきれいな内暈が出ています。そこに2本の飛行機雲ができています。それぞれを作った飛行機は,以下のとおりです。

  • 写真の左から右へ飛行:
    ボーイング767-300ER,東京発 鹿児島行
    気圧高度11582m,対地速度637km/h
  • 写真の上から下へ飛行:
    エアバスA320-200,高松発 成田行
    気圧高度11887m,対地速度1043km/h

両機ともほぼ同じ高度を飛んでいますが,写真の上から下方向に飛行する機体の方が300mほど高いことがわかります。また,この飛行機雲の影が上空を覆ううすい雲に映っており,この薄い雲は飛行機雲より低い位置にあることもみてとれます。成田行の飛行機と鹿児島行の飛行機の対地速度の差は400km/hほどあるので,この高度ではざっと400/2=200km/h(56m/s)程度の風(偏西風)が吹いているように思われます。

内暈と飛行機雲

つぎは飛行機の追いかけっこです。これは2022年5月5日 9時頃に撮影したもので,たしか羽田から沖縄に行く飛行機たちだったと思います。飛行機の時刻表を見ると,同じ空港から同じ目的地に向けて,同じ出発時刻で複数の便が設定されていたりします。そのような飛行機だと,同じような航空路を同じような時間に飛ぶので,このように追っかけっこしているように見えたりします。

飛行機雲の追っかけっこ

飛行高度によって飛行機雲ができたり,できなかったり・・・

高さによって空気の湿り具合が違うので,同じ空を飛んでいても飛行機雲ができるものとできないものがあります。下の写真はその例です。写真の下の方に雲がありますが,これは飛行機雲から巻雲に変わりつつあるもので,雲を形成する水の粒が下の方に落ちて行っているので尾っぽのような尾流雲を伴っています。その近くを飛行機が飛んでいますが,こちらは飛行機雲ができていません。飛行機は雲とは異なる高さを飛行しており,そこでは空気が乾いているのだと思います。このようなことを利用して,飛行機雲のできる高度とできない高度をフライトレーダー24で確認すれば,どのくらいの高さが乾いているのか,あるいは湿っているのかを知ることができます。

巻雲と飛行機

飛行機はどのくらい遠くに行っても見え続けるのか?

飛行機を眺めていて思うのは,「どれだけ遠くまで見えているのかな?」ということです。自分の近くを飛行機が通っていけば,フライトレーダー24でその飛行機がどこ行きのどういう機種のモノか知ることができます。飛行機雲がなければ,飛行機は見た目にはとても小さいのですぐ見失ってしまいます。しかし,下の写真のように飛行機雲を伴っていれば,結構長い時間見失うことなく見ていることができます。このようなとき,自分から遠ざかっていく飛行機の行方を追ってみてはいかがでしょうか? きっとビックリするほど遠くまで見えていることに気付くと思います。時速800km/hで飛んでいる飛行機が15分間見え続けているとしても,800/4=200km先まで見えているということになります。子供の自由研究で是非やってほしいと思います。そして,感想を是非聞かせてもらいたいです。

夕焼けの飛行機雲

飛行機雲とフライトレーダー24を組合わせるといろんな楽しみ方ができます。是非,ためしてみてください。

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