今回は朝焼けを見ていきましょう。朝焼けが富士山を照らした赤富士はとてもきれいです。赤富士の写真は富士山須走ルートを登ったときに撮影しました(2011年7月14日)。登山道が富士山の東側に付いているので,朝日に照らされた赤富士を見ることができました。
朝焼けは朝日だけでは成り立たず,朝日に照らされてその光を散乱する雲や大気中の微粒子が必要とされます。朝日の光を散乱する雲たちの条件が毎回違うので,朝焼けはいろいろな顔を見せてくれます。
朝日に照らされてた雲たち
朝日が低い角度から雲たちを照らし,雲の下面(雲底)が朝焼けの色に染まると,とてもきれいな朝焼けとなります。そんな朝焼けの写真を何枚かお見せします。写真をよく見ていただくと,雲底は赤から黄色に色付いていますが,その上にある空(雲のないところ)は青空です。赤い光が雲を照らすことで朝焼けを演出しています。もし雲がなければ空は青空で,赤い光は素通りしていってしまいます。
朝焼けの色を見ると,朝日で見たときと同じように,赤っぽい色からオレンジ色,黄色と様々な色があります。これは,大気の状態によって雲に光が届くまでにどの程度光が散乱されるかというのが日によって違うためです。赤が強いほど,そこに太陽光が届くまでに光が散乱されています。
青空のない朝焼け
下の写真(2021年12月4日撮影)をご覧ください。太陽が少し見えていますが,かなり赤く見えます。大気中にかなりチリが含まれているように思えます。雲はそれほど広がっておりませんが,大気中に含まれたチリが太陽光を散乱して空全体がオレンジ色に染まっています。高度が高いところは黄色っぽく,下に行くほど赤色が強くなるグラデーションとなりとてもきれいです。
雲海の朝焼け
下の写真も富士山須走口を登ったときに撮影したものです。太陽が少し昇って雲海を照らしました。光って見えるのは山中湖の水面です。下界にいると朝焼けは見上げるものですが,山に登るとこのように足元に広がる雲海の朝焼けを見ることができます。
いろいろな朝焼けを見てきました。私の住んでいるところは,西側に山があるのできれいな夕焼けの写真を撮るのがなかなか難しいです。しかし東側は開けているので,今回お見せしたような写真を撮ることができます。皆さんの住んでいる地域でも,地域の特性に合わせて朝焼けや夕焼けの空を楽しんでみてはいかがでしょうか。