幻日のつぎは幻日環です。幻日環とは太陽を貫き,幻日が見えているときはそれも貫いて現れる光の環です。今回紹介する写真でもそうですが,一周の一部分しか見えないことも多いです。
幻日環のみえる理由
幻日のできる理由を説明したときに,氷の粒(六角形の平板状)が水平方向にそろって空気中をふわふわ漂っているといいました。そのように漂っている氷の粒の側面で太陽の光が反射されると幻日環が現れます。一番最初の写真(2022年1月27日撮影)は太陽と幻日を通って幻日環が見えました。それに対し,下の写真は太陽の右側に見える幻日から伸びた幻日環が見えます。幻日環は氷の粒で反射された光なので,幻日のように色付くことはありません。
いろいろな幻日環
下に2枚の写真を示します。1枚目は2021年10月21日 7時30分撮影,2枚目は2023年2月11日 14時00分撮影です。朝と昼の写真ですね。どちらの写真も幻日から幻日環が伸びていますが,伸びる角度が異なります。1枚目(朝で太陽高度が低い)は太陽と反対がに向かって水平に近い角度で伸びています。これに対し2枚目(昼で太陽高度が高い)は,太陽と幻日を結んだ線に対し,角度を持って伸びています。
幻日環は太陽と幻日を貫く光の環といいましたが,その環の大きさは太陽高度によって異なります。太陽高度が低いと地面に近いところで1周する環になるのに対し,太陽高度が高いと天頂に近いところで小さな環を作ります。いまはよい例を示す写真の手持ちがありませんが,将来撮れたら紹介させてください。
幻日環は幻日に比べて出会えるチャンスが少なく,また,1周する完全な幻日環に私はあったことがりません。浮遊している氷の粒で光が反射しているだけなので現象としては単純ですが,もっと観測の機会を増やしていきたいと思います。