以前(2024年7月27日)のブログ記事で薄明光線と反薄明光線を紹介しました。
薄明光線・反薄明光線 | ふわっとサイエンス (hi-jacky.com)
その中で,反薄明光線の写真コレクションがそこで紹介した1枚しかないというお話をしましたが,新しくきれいな反薄明光線の写真が撮れたので紹介します。
また,最近ニュースで薄明光線の話題が出ていました。空に関心を持つ方が増えて,このようなニュースが流れ,さらにたくさんの方に知っていただけるとよいと思います。
参考)青い『天使のはしご』現る!?夕方の空を貫いた「光の柱」の正体と仕組み(RKK熊本放送) – Yahoo!ニュース
異常な暑さが生んだ絶景!“巨大な青い柱”薄明光線や“乳房雲”が(FNNプライムオンライン(フジテレビ系)) – Yahoo!ニュース
反薄明光線
下の写真は反薄明光線を捉えたものです。撮影日は2024年9月17日です。この日は「中秋の名月」で,写真にはその月がきれいに写っています。ほぼ満月の月が写っているということは,太陽と反対側の空を写している証拠ですね。空に青っぽくなっている帯がありますが,その帯が空と大地の境目に向けて狭くなりながら伸びていることがわかります。これが「反薄明光線」です。
この青っぽい帯はどこから来たか理解するために,このブログの最初に示した写真をご覧ください。この写真は夕日側から反薄明光線側にかけて撮影したビデオ画像をパノラマ写真にしたものです。少し無理やりだったので,パノラマ化がきれいにできておらず,少し画像がずれているのはご容赦ください。
太陽(夕日)側では薄明光線があり,それが見ている人の頭上を越えて,太陽とは反対側にまで伸びています。太陽側から始まった青っぽい帯が頭上にくるまで広がり,頭上を過ぎた後は狭くなりながら太陽と反対側の空に伸びていきます。
薄明光線
下の写真は太陽側の空を写したものです。きれいな青っぽい帯,「薄明光線」が見えています。
観測場所を変えて,もう少し空の下の部分が見えるところで撮影したものが下の写真です。この日の日の入り時刻は17時56分だったので,太陽は完全に沈んでしまっています。しかし,太陽が沈んだあたりが一番明るく,そこから帯が伸びているのがわかります。
薄明光線・反薄明光線のもと
それでは,薄明光線・反薄明光線のもとについて見てみましょう。別の日の夕方の写真になりますが,下の写真には背の高い雲の向こう側に夕日があり,夕日の光が背の高い雲で遮られて雲の影がのびている様子が見えます。この雲の影が薄明光線・反薄明光線の帯のもとです。
最後に
薄明光線は太陽が見えているところの近くに太陽を遮るものがあれば見られるので,比較的頻繁に出会えます。しかし,反薄明光線の場合は,薄明光線から伸びた光が太陽と反対側に伸びないといけないので,余分な雲があってはいけません。さらに,太陽光が当たっているところと,影がのびているところ(青っぽい帯のところ)がきちんとわかるように,空には適度に光を散乱する程度の薄い雲がなければいけません。そのようなことで,反薄明光線にはなかなか出会えません。今回は中秋の名月と反薄明光線を一緒に撮影できてラッキーでした。今後もたくさんの現象を撮影していきたいと思います。