梅ジュースを作り始めて2週間(14日)が経ちました(2025年5月31日現在)。梅の水分がだいぶ出てきて液体の部分が多くなってきたので,それを利用していろいろな実験をしましょう。

しんきろう実験
まずはしんきろうの実験です。瓶を静かにおいておくと,氷砂糖の層の上面付近に砂糖の濃い液体があることがわかります。液の向こうに文字を置いて撮影したのが下の写真です。見ている高さを,
①氷砂糖の上面の真横
②氷砂糖上面より少し上から
の二通りで撮影しました。氷砂糖上面付近の砂糖濃度が特に濃く濃度分布もあるので文字が変形して見えています。見ている高さが少し高くなると,濃度分布の大きな層を斜めから見ることになる(透過して見ない)ので文字の見え方への影響が小さくなっています。砂糖濃度は光の屈折率に影響し,屈折率の分布があると光が曲がり向こうに見てている像が歪みます。

偏光による色付き実験
砂糖水は透過する光の振動の向きを回転させる性質(旋光性)があります。普段見ている光はいろいろな向きに振動する光が混ざっているので,旋光性を感じることはありません。しかし,偏光板を使って1方向に振動する光だけを取り出し,それを砂糖水に透過させると旋光性を見ることができます。
砂糖水に入る光にはいろいろな色(振動数)が混ざっています。光の振動数によって振動の向きが回転する量が異なるので,透過した光を偏光板を通してみると色がついて見えます。そして,透過光が通る偏光板の角度を光の進む方向を軸にして回転させると,下の写真のように見える色が変化します。

まとめ
しんきろうの実験は砂糖水を使ったものがよく行われます。しかし,わざわざ砂糖水を作るのも大変です。今回は梅ジュースを作りながらこれも砂糖水だなと思い,いろいろな実験をしてみました。季節限定ではありますが,おいしいものを作りながらやる実験も楽しいと感じます。皆さんも工夫していろいろやってみたらいかがでしょうか。