2025年秋,三ヶ根山のアサギマダラシーズンもそろそろ終わりです。2025年10月29日と11月3日に三ヶ根山に登りましたが,出会えたアサギマダラの数はそれぞれ1頭と2頭でした。10月13日には三ヶ根観音の山茶花で乱舞していましたが,それももういません。
アサギマダラはカメラをかなり近付けてもなかなか逃げず,カメラの接写が比較的容易です。そこで,シーズンの最後にあたり,接写した写真などを見ながらアサギマダラの体をあらためてよく観察したので報告します。
アサギマダラの体
まずはアサギマダラの体全体を見てみましょう。下の写真にはフジバカマの蜜を吸っているアサギマダラ(オス)が写っています。長い2本の触角,複眼の眼,花に突っ込まれている口吻,足があります。口吻は蜜を吸っていないときは丸まっていますが,蜜を吸うときはのびます。そのとき,途中に曲がった屈折点ができるので,花の真上の方から口吻を中に突っ込むことができ,花の奥の方まで口吻の先端が届きます。

アサギマダラの足の数
足の数を数えると4本に見えます。蝶は昆虫なので足は6本のはずです。アサギマダラの2本の前足は短く,普段は小さく折りたたまれているので残りの4本が見えています。下の写真はアサギマダラの足の付け根付近を接写したものです。顔と中足の間にV字型に折りたたまれた前足が見えますがわかりますか? よく見て探してみてください。
参考文献)白山の自然誌36 白山のアサギマダラ

アサギマダラの触角
触角の先端は橙色です。触角はにおいを感じる器官です。
参考)蝶の生態用語解説図鑑

また,触角には縞模様があって,そこが節に見えます。触角の構造がよくわかりませんが,そこが動いて柔軟性を持たせているのかもしれません。

アサギマダラの気門
アサギマダラのはらの側面には白い点々が付いています。これは気門です。気門は呼吸をするための空気の取入れ口です。

アサギマダラの翅
翅の様子もカメラで撮影できます。接写し,翅にピントを合わせて撮影したのが下の写真です。画像を画面に貼るときに引き伸ばすことでさらに拡大しています。浅黄色のところの細かい様子や,茶色と浅黄色の境目の様子がよくわかります。

まとめ
アサギマダラはカメラを近付けてもなかなか逃げないので,接写することでかなり細かいところまで観察できます。肉眼ではわからないことが簡単に可視化できるので,ワクワクします。来年もいろいろ撮影しようと思うので,アサギマダラちゃんたちが再び戻ってくることをお待ちしています。
  
  
  
  