2025~26年の冬シーズン,愛知県でも何度か雪が降ったり氷がはったりしています。今回はそこで見つけたいろいろを紹介します。
雪
下の写真は本宮山の砥鹿神社奥宮にある切り株に積もった雪です(2025年12月26日撮影)。このときに積もった雪はうっすらで,木の上には砂糖をまぶしたように積もりました。不思議なことに切り株に積もった雪はドーナツ状になっており,中心側は積もっていませんでした。はっきりした原因はわかりませんが,私は以下のように推定しました。
切り株は側面と上面から冷やされますが,雪の積もっているあたりは側面と上面の両方から冷却されるので温度が低くなっていたと考えられます。これに対し,中心側は上面からしか冷却されないため切り株表面が0℃以下にならず雪が積もらなかったと思います。

このときの雪の粒を撮影したのが下の写真です。雪の結晶は見られず,白い粒々になっています。いわゆる「雪あられ」と思われます。
参考)氷とあられの違いは?_はれるんライブラリー

下の3枚の写真とこの記事の一番最初に掲載したものはふわふわの雪が降った日に撮影したものです(2026年1月12日撮影,場所:愛・地球博記念公園)。木に積もった雪が綿のように見えていることから「ふわふわ」感を感じ取っていただけると思います。

積もった雪をよく見るときれいな雪の結晶が見えます。いろいろな形の結晶があります。それらが絡み合ってふわふわした積もり方になっています。

ひとつの雪の結晶を拡大して見ましょう。雪の結晶にどんなものがあるかまとめたサイトがあります。
参考)雪の結晶 | 公益社団法人日本雪氷学会
このサイトを参考にして写真の結晶を分類してみると「羊歯状六花」になります。今回は積もった雪を撮影したのできれいな結晶の写真があまりありませんでした。つぎの降雪時にはもう少し作戦を立て,きれいな雪の結晶の写真を撮りたいと思います。

雪に残った足跡
うっすらと積もった雪のところに足跡ができました(2026年1月30日撮影。雪はアスファルトの上に積もっているので,足跡が黒く見えます。よく見る光景です。

ところが,白い足跡がきれいに残ったところを発見しました。人が歩いて圧雪されたところが溶けずに残っています。上の写真を白黒反転させたみたいで面白いですよね。
このメカニズムはおそらく以下のようなものです。ここには太陽が当たっていました。また,坂道になっています。雪は日射で融けるのですが,融けてできた水はアスファルト上を流れます。この水が積もっていた雪を下側からも融かします。しかし,圧雪されたところは雪の隙間が少なくなっているので水が流れにくく,下面からの水による融解が抑えられていると考えられます。そのため,圧雪部である白い足跡が残ったと推定します。

水がたまったところおよびその近辺にできた氷
本宮山で見つけた氷を紹介します(2026年1月24日撮影)。中腹にある石造りの手水鉢が凍りました。氷は白色ですが,これは水に溶けていた空気が凍るときに気泡となり氷の中に閉じ込められているからです。

近くによってその気泡を見てみましょう。気泡は丸いものや線状になっているものがあります。線状になる理由については以前紹介したことがあります。
気泡は不純物や夾雑物を核にして,そこから発生します。核となる粒子は氷に取り込まれることなく,水と氷の界面(凍結面)とともに移動します。このため,気泡が線状になります。
ただし,今回の線状のモノを見るとカーブしています。それも,あるところを境にしてカーブする方向が反対になっています。とても不思議です。

手水鉢の左側に見える石の表面にうっすらと氷がはっています。そこを拡大して見たのが下の写真です。網目状の模様が見えますが,この模様ができたはっきりした原因はわかりません。ChatGPTに聞くと自信満々で答えてくれますが確証が持てません。ただ,下記文献(148ページ)を見ると歪エネルギがあるところでは目に見える速さで氷の再結晶化が進行するようです。そのため,石と氷の線膨張係数の差により熱歪みが作用し,再結晶して粗粒化した氷の結晶界面が網目状に見えているのかもしれません。
参考)氷雪物理学2022_増補改訂版

つぎは水場にあったバケツが凍っている様子を紹介します(2026年1月27日撮影)。オーバーフローしながら凍ったので,氷はバケツから盛り上がっています。その表面を見ると,こちらも網目模様が見えます。マスクメロンのようなきれいな網目です。


水場の横にある石に舌のような氷ができていました。氷の中に大小の気泡が見えます。

しぶきでできた氷
流れる水のしぶきでできた氷を見ましょう。しぶきが重なって凸凹の氷ができます(2026年1月24日撮影)。そこに太陽光が当たるとプリズムのように分光して色が付いて見えます。

木の枝があればその周りに氷が張り付きます。そうすると下の写真のように動物のような形をした造形を見ることもできます。

小川の近くにある水場にあった氷です(2026年1月27日撮影)。円柱状の透明な氷があり,なぜそれができたのか不思議でなりませんでした。いろいろ考えた結論は以下の通りです。
水場に水を引き込むのに長さ2mくらいの樹脂製パイプを使用しています。夜間にパイプの中で水が凍結するのですが,昼間に気温が上がってくるとパイプと氷の間が溶け,円柱状の氷がパイプから滑り落ちてきます。落ちてきたときに氷が複数個に割れ,写真のようになっていると考えました。

まとめ
雪や氷は単純なようで奥が深いです。今回紹介したような氷の網目模様についても,わたしはこれまで知りませんでした。これからも雪や氷の不思議を探していきたいと思います。
